予備試験のメリットデメリット

こんにちはヤコマです。

今回は受験系です。

司法試験を受験するためには予備試験に合格するか、ロースクールを卒業する必要があります。

実際に法曹を志して法学部に入学しても「予備試験経由でいくか、ロースクールに進学するか」と悩む方も多いと思います。また、「予備試験って合格率低いし、僕には無理かも」と感じている方もいるかと思います。

今回は僕の経験とロースクールに進学した僕の友人(現在弁護士)の話を踏まえつつ、予備試験とロースクールのメリットデメリットについて解説していきます。

実体験を踏まえているため、内容の信憑性はあるかと思います。

※個人の見解です。実態と異なる部分もあります。

目次

1.最近の傾向

2.予備試験

3.ロースクール

4.まとめ

それでは解説していきます。

1.最近の傾向

まずは、最近の司法試験受験者の傾向を見ていきましょう(参考:法務省HP:http://www.moj.go.jp/)。

平成29年度司法試験

予備試験経由 6.19%

ロースクール経由 93.81%

平成30年度司法試験

予備試験経由 7.72%

ロースクール経由 92.28%

平成31年度司法試験

予備試験経由 8.02%

ロースクール経由 91.98%

年々予備試験経由で司法試験を受験している方が増えていることがわかりますね。

では予備試験とロースクールのメリットデメリットについて解説していきます。

2.予備試験

まず、メリットとしては①司法試験の合格率が高い、②ロースクールに進学する費用・時間が浮くことが考えられます。

深掘りしていきます。

①司法試験の合格率が高い

予備試験経由の司法試験合格率は

平成29年度 72%

平成30年度 77%

※平成31年度は2019年8月2日現在結果が公開されていません。

と非常に高くなっています。

ちなみにロースクール経由の司法試験合格率は

平成29年度 22%

平成30年度 24%

※平成31年度は2019年8月2日現在結果が公開されていません。

となっており比較するとよくわかっていただけるかと思います。

これは予備試験が非常に難易度の高い試験になっており(個人的には司法試験と同等以上と感じてます。)、予備試験に合格した方は司法試験に十分合格できる力があることが要因になっていると考えられます。

②ロースクールに進学する費用・時間が浮く

ロースクールに進学した場合、大学卒業後、司法試験を受験するまで2年又は3年間時間を費やすことになります。また、ロースクールに進学した場合、学費が数百万かかります(成績優秀者で学費が免除される方は除きます。)。

予備試験に合格した場合、司法試験の受験資格を得るという点ではロースクールに進学する必要がないですから上記で書いたような時間と費用が浮くことになります。

これは仕事をしている社会人や学費が負担になる学生には非常に大きなメリットになるのではないでしょうか。

もちろんメリットばかりではありません。

デメリットとしては①予備試験自体の合格率が非常に低い、②人脈が広がらないことが考えられます。

深掘りしていきます。

①予備試験自体の合格率が非常に低い

合格率は3%となっており、非常に合格率が低いことがわかります。もちろん予備試験は受験資格が限定されていませんので、お試しで受験されている方も一定程度いると思いますが、それでも非常に難易度が高い試験であることが伺えます。

②人脈が広がらない

ロースクールのメリットとして挙げられることとも関連しますが、予備試験の場合、ロースクールに進学しないことが多いと思いますので、ロースクールで手に入れることができる人脈を手に入れることができません。

基本的に司法試験まで孤独に勉強していくことになります。

3.ロースクール

ロースクールに進学するメリットとしては①人脈が広がる、②受験対策の勉強だけでなく法律について深く勉強することができるといった点が挙げられます。

①人脈が広がる

ロースクールでは教授の授業だけでなく、現役の弁護士や検事の方の授業を受けることができます。また、サマークラーク制度があり、夏期休暇の間、弁護士事務所で業務を体験できます。

そのため、ロースクール時代にお世話になった先生やサマークラークで訪問した法律事務所にコネクションを作ることができ、就活に有利になったりすることがあります。

また、法曹業界の裏話や司法試験対策について実体験を聞くことができることもメリットですね。

②受験対策の勉強だけでなく法律について深く勉強することができる

ロースクールではもちろん司法試験のための各法律の授業もありますが、司法試験に直結しない法律の授業や実務的な授業があり、試験勉強をしているだけでは得られない知識や理解を深めることができます。

これらの授業は司法試験には直結しませんが、自分が実際に法曹になった時に非常に役に立つことになるでしょう。

デメリットとしては、①費用・時間がかかる、②試験勉強に集中できないことが挙げられます。

①費用・時間がかかる

これは予備試験の項目で書いた通りです。

②試験勉強に集中できない

ロースクールは自分と同じように司法試験を目指している学生が多くいます。大学時代と比べ同じ目標を持っている友達が多くできることでしょう。もっとも、中には勉強をしないで飲んでばかりいる人や遊んでばかりいる人もいるため、そのような人と友達になると毎日飲みに誘われたり、遊びに誘われたりすることになり、試験勉強に集中することができません。

また、メリットの裏返しにもなりますが、試験に直結しない授業も多いため、とりあえず司法試験合格を第一に目指している人にとっては弊害になる可能性も否定できません。

4.まとめ

いかがだったでしょうか。

僕自身ロースクールには進学しなかったため、予備試験とロースクールどちらがいいかを判断することはできませんし、人によって予備試験経由でいった方がいいかロースクールに進学した方がいいか様々だと思います。

僕自身の経験とロースクールに進学した友人の話を元に書きましたので、上記のメリットデメリットは信憑性があると思います。

司法試験を目指されている方は上記を参考に自分の進路を考えてみてはいかがでしょうか。

ではまた