パラリーガルとして働くことのメリット

こんにちはヤコマです。

今回は司法試験を経験された方にパラリーガル(又は会社員)として働くことを提案してみようと思います。

司法試験の勉強をしている方の悩みとして「弁護士になれなかったけど就職どうしよう」、「ロースクールに進学したけど勉強しんどい」、「就活しなかったから就活のやり方教えて下さい。」等色々あると思います。

結論からいうとパラリーガルとして働くことはアリです。

そこで今回はパラリーガル(又は会社員)として働くことのメリットデメリットをお伝えしつつ、司法試験を経験された方に僕なりにアドバイスできればと思います。

この記事の目次

  1. 司法試験受験失敗後(又は受験断念後)どうするか
  2. パラリーガル
  3. 一般企業
  4. まとめ

簡単に僕の経歴を話して置くと、大学在学中に予備試験に最終合格し、大学卒業後司法試験を受験、失敗。司法試験失敗後は、公務員試験の受験勉強をしつつ、就活し、法律事務所にパラリーガルとして就職。転職活動をし、上場企業の内定を貰いましたが条件が合わず辞退といった感じです。

1.司法試験受験失敗後(又は受験断念後)どうするか

司法試験受験失敗後(特に1回目)は再受験に向けて再度勉強する方が多いと思います。ただ、僕は受験失敗後はすぐに一般就職を考えて行動すべきだと思います。

理由は、①受験後は一時的に勉強から離れてしまう、②受験し続けても合格する保証がない、③周りのプレッシャーが考えられます。順番に解説していきます。※個人的な見解です。当てはまらない方もたくさんいると思います。

①受験後は一時的に勉強から離れてしまう

司法試験は毎年5月の2〜3週目に実施されます。合格発表は9月です(短答は6月)。つまり4ヵ月間勉強に集中しない時間があるわけです。

人間の記憶は一般的に1ヵ月で約80%忘却するとされています(参考:エビングハウスの忘却曲線)。

試験後は受験勉強からの開放感から多くの方(特に学生)が勉強から離れ、遊びに費やすことになりますよね。

そうすると合格発表後、再受験を考えた場合、4ヵ月間というブランクを埋めなければなりません。これはめちゃくちゃ大変なことだと思います。僕もそうでした。

また、環境が1回目の受験前とは変わります。

1回目は周りの友達がみんな勉強しているため、周りからの刺激を受けて勉強していると思いますが、2回目以降は合格した友達が離れていき、孤独に勉強することが多くなると思います。

そうするとモチベーションが低下し、勉強時間が減ることが考えられます。

勉強時間が減ると再受験しても合格する可能性が減るわけですから思い切って勉強をやめて就職することを視野に入れても良いのではないでしょうか。

②受験し続けても合格する保証がない

法務省が毎年公開している合格者の統計の受験回数を見ると、受験回数が増えるにつれ合格者が減っていることがわかると思います。

「1回目より長い期間勉強しているんだから受験回数多い方が合格者も多いんじゃないの?」と疑問を持つ方もいると思いますが、これは①で書いたように、勉強のモチベーションが1回目より低下し、勉強時間が減ることが原因の1つと考えられます。

また、受験回数を重ねる毎に自分の将来が不安になっていき、精神的に辛く勉強に集中できないことも考えられます。

以上を踏まえると、再受験したとしても合格する可能性はむしろ1回目より低くなってしまうことにもなりかねません(実際に1回目の方が2回目より試験結果がいい人もいます。)。

もちろん2回目で合格する方もいるため(僕の友人でも2回目で合格した人がいます。)、一概に1回目で合格しなかったらもうだめだというつもりはありませんが、就職という選択肢を持っておいた方がいい意味での逃げ道ができて良いと思います。

③周りのプレッシャー

司法試験を受ける前は周りから期待されていた方も多いのではないでしょうか。当時心地よかった周りからの期待も、司法試験失敗後は突然冷たくなります。

「いつ働くんだ?」、「弁護士になるんだっけ?(笑)」と周りからバカにされた経験をされた方も多いのではないでしょうか。

僕も親から「いつまで家にいるつもり?」とプレッシャーとかけられ、周りの友達からは「予備試験受かったのに落ちたの?(笑)」とバカにされ、辛かったです。

もちろん、周りは気にしなくていいと思いますが、司法試験に合格すること(法曹になること)が全てではありませんし、選択肢は多い方がいいので就職も視野に入れた方が良いと思います。

僕なりに就職を選択肢に入れることを書いてきましたが、決して就職>司法試験と言いたい訳ではないです。

次の項目では就職を考えた時にパラリーガルとして法律事務所に就職するか、会社員として一般企業に就職するかを解説していきます。

2.パラリーガル

冒頭でも書いたように僕はパラリーガルとして法律事務所に就職することはアリだと思います。

最近ドラマとかで題材になり、認知度も上がっていると思います。

パラリーガルとして働くメリットは大きく①高度な業務を行うため、企業法務の経験を積むには最適、②割と自由に働けることが挙げられます。以下深掘りしていきます。※個人的な見解です。

①高度な業務を行うため、企業法務の経験を積むには最適

ここでは企業法務を扱っている法律事務所に就職することを前提に深掘りしていきます。

法律事務所は多種多様な会社から依頼を受けるため、当然幅広い法的知識が身につきますし、多種多様なビジネスモデルに触れることができます。

普通の会社だと当然自社が契約を締結する際の契約書や新規ビジネスを立ち上げる際のリーガルチェックを行うため、契約内容、ビジネス内容が自社の得意分野に偏ります。

また、弁護士はリーガルチェックのプロですので、高度なリーガルチェックを経験することができます。

普通の会社の法務部は配属されてから勉強する人が多いため、そこまで法律に詳しくもないですし、基本的に提携している法律事務所があるため、リーガルチェックは割とテキトーです。

そのため、普通の会社に就職した後にいざ転職や起業を考えた時に選択肢が狭くなる可能性があります。

この点、法律事務所に就職した場合には、上記のように多種多少なビジネスモデルにふれ、高度なリーガルチェックを経験しているため、転職や起業の幅がぐっと広がりますよね。

②割と自由に働ける

法律事務所にも色々あると思いますが、多くの法律事務所は普通の会社に比べて働き方は自由だと思います。

まず、基本的にやることをやっていれば業務時間内に勉強してようがスマホをいじってようが何も言われないです。

普通の会社だと部長みたいな人に常時監視されて業務をしなければならないため、業務時間中は真面目に仕事をやっているふりをしなければなりません。

また、無駄な飲み会がないです。←これ大事です。

普通の会社だと上司と飲みに行かなきゃいけないことも多いと思います。

上記のように法律事務所だとやることをやっていれば自分の好きなことに時間を費やすことができるため、ワークライフバランス的にいいと思います。ストレスも溜まりにくいです。

メリットを書いてきましたが、もちろんデメリットもあります。

弁護士は基本的に就業時間が長く、業務量が多いため、こちらが提出した仕事のレビューバックが遅かったり、忘れてたりします。

そのため、こちらから業務スケジュールを管理してあげないと納期ギリギリになったり、残業したりしなければなりませんが、これがうまくできればそこまで残業は多くならないです。

また、高度なリサーチを頼まれて、大変だったりしますが、こちらはいい経験になるのでむしろメリットと言ってもいいかもしれません。

3.一般企業

司法試験の受験経験を生かして会社の法務部に就職しようとしても上記で書いたように提携先の法律事務所に仕事を流されたりして十分な経験を積むことは難しいのではないかと思います。

法務部にこだわらず、一般的なサラリーマンを経験するという点では一般企業も悪くないです。

特にビジネスマナーを身につけたり、プロジェクトの進め方を学べるという点では一般企業の方がいいかなーと思います。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

冒頭で書いたように僕はパラリーガルとして就職するのはアリだと思いますが、実際に就活するときは色々調べてみて自分にあった道を見つけてくださいね。

司法試験経験者の方の役に少しでも立てれば幸いです。

ではまた